新スタジオができるまで「第九話 控えめに言って最悪」

翌日、仲介会社から電話がありました。

「水詰まりの件、確認が取れました。どうやら水詰まりの原因は雨漏りとの事で、雨漏りの原因箇所もまだ分からず、工事期間もどれくらいになるか分からないので、いつお貸しできる状態になるか分からないそうです・・・。どういたしましょうか・・・。」

何を言っているのか意味がわからず少々混乱しつつも、

「どうしましょうかと言われても、契約するつもりで準備も進めていましたし、少し考えさせてください。」

と言って電話を切りました。

思えば、保証会社からの審査通過の連絡が遅かったのも、管理会社で止まっていたのではないでしょうか。クリーニングの件は返事が来ていないし、そもそも雨漏りって先にわかっていたのでは・・・。というか、そもそも貸すつもりはあったのか、なんでテナント募集をかけたのかなど、管理会社に対して不信感しかなくなりました。控えめ言って最悪な管理会社だと思えました。

仲介会社とは契約完了までの付き合いだし、その後はこの管理会社との付き合いになっていくと思うと、工事完了まで待つ必要もないと、キャンセルの電話をかけたのでした。

 

保証会社の審査まで通過し本格的に準備を進めて行く予定でいた為だけにショックでしたが、この最悪な管理会社との出会いは、運が悪かったとして片づける事にしました。いつか笑い話にできたら良いなとは思います。

 

そして、また一から物件探しが始まるのかと、うなだれていたある日、庭師の友人から電話が鳴ったのでした。