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新スタジオができるまで「第十話 庭師みたび」

 

 庭師からの着信に飲みに行く誘いかなと電話に出ました。

「お疲れ。ところでMのとこのビルわかる?」

Mというのは、庭師と共に中学からの付き合いで、今もなお付き合いのある親友の一人。そのビルはわかるも何も、数年前に新しいテナントが入るためにタイルカーペット剥がしを手伝いに行ったことのあるビルで、Mの母親が所有するビル。

「わかるよ。あの1階のとこだろ?カーペット剥がした。」

と答えると、

「いや、確か2階だろ。」

と言われ、

「いや、1階だって。いやでも2階だったような気もするな・・・。」

と答えると、

「まあ、どっちでもいいや。そこのビルがさ、半年くらい空いている状態で、Mの母ちゃんに誰か借り手がいないかと聞かれたんだよね。」

聞けば、ビルの裏にある桐の剪定に行った時に、シャッターが閉まっているのを見て、

「あのビル今どうなっているの?」

と尋ねたところ、そのような返事が返ってきたようです。

確か以前に賃料を聞いたところ結構したはずでしたが、一応話を聞いてみようと思い、

「ありがとう。直接Mの母ちゃんに連絡したほうがいいの?」

と聞くと、

「〇〇不動産が管理しているみたいだから、そこに連絡すればいいみたい」

と言われたので、まず先にMの母ちゃんに連絡を入れてから、〇〇不動産を訪ねました。

 

・・・「ごめんください」