これまで様々な物撮りをしてきました。なかでも、メーカーさんの商品写真や出版物を中心に釣具は相当数撮影しました。ここでは、20年近く携わっている月刊誌「ルアーマガジン」と、その関連誌で撮影した釣具の写真を当時を振り返りながら紹介させていただきます。
2019年のタックルオブザイヤーという企画の一枚です。
ルーキー部門で一位に輝いたスピナーベイトの躍動感を表現したく、水しぶきと共に撮影しました。
思い通りにならないしぶきとブレードやスカートと格闘し、納得いく形になるまで何回もシャッターを切りました。
「ルアーマガジン2020年3月号」掲載写真。
ルアーマガジンの表紙用写真です。
担当編集の方から「次号は赤をテーマにした特集記事なので、赤い表紙にしたい。そして目立たせたい。」とのお話があり、赤いルアーを敷き詰める事にしました。一面の赤がとにかく目を引く写真になりました。
雑然とルアーを敷き詰めた様に見えますが、一つ一つの見え方や角度にこだわって配置し、無機物ですが、「生もののような」ライティングにしました
「ルアーマガジン2019年4月号」掲載写真。
ヒラメ用ルアーのイメージカットです。
スタジオを飛び出し、海へ行き砂浜にて撮影しました。
朝陽を背景にしようと師走の冷たい風が肌に刺さる中、コーヒーを淹れて日の出待ち。ルアーに朝陽が透過した素敵な写真を撮る事ができました。
特別なセッティングやライティングなどしなくても、早起きして自然の力を借りれば素敵な写真が撮れると感じた朝でした。
「ルアーマガジンソルト2018年2月号」掲載写真。
ワームのイメージカットです。
形がシンプルなストレートワームでのイメージカットは毎回頭を悩ませますが、元々カーブが付いているワームの為、動きのある表現が出来ました。
水を張ったトロ舟に、風を当てて波を作っています。
「ルアーマガジン2020年3月号」掲載写真。
シーバスロッドのイメージカットです。シーバスは夜釣りのイメージがありますので、夜景を背景にしようとロケに出ました。夜景とストロボ1灯とレフ板でライティングして撮影しました。
「ルアーマガジンソルト2017年2月号」掲載写真。
フックカタログ企画の扉用写真です。
フックの撮影をする場合、形が綺麗に見えるアングルがどうしても限られてしまいます。その範囲の中で、並べ方やぼかし方、また背景などを工夫して撮影しています。形状の違うフックそれぞれが分かるように並べ、形がわかる被写界深度で、背景にはグラデーションを入れ奥行きを出しました。フックにハイライトをしっかりと入れる事で立体感が出るようにライティングしています。
「ルアーマガジン2020年7月号」掲載写真。
シーバスビッグベイトカタログの扉用の写真です。
担当編集の方から「インパクトが欲しい」「ビッグベイトという事を伝えたい」との要望があり、比較対象となる手と、ルアーを掴んだ手が前に飛び出してくる事でインパクトを出しました。木枠で台座を組み、その上に穴を開けた黒ケント紙を敷いてルアーを並べ、開けた穴の裏から手を入れてもらっています。じっと動かず耐えていただいた編集部の方に感謝です(笑)
「ルアーマガジンソルト2020年12月号」掲載写真。
ベイトリールのブレーキシステムに着目したイメージカットです。
サイドカバーを開けブレーキとスプールを配置しただけで、カッコ良くなってしまったので、これといって特別な事はしませんでした。被写体の立体感が出るようにグラデーションを入れ、黒バックの背景に溶け込まないようにライティングしました。撮影の技術や知識はもちろん大切ですが、被写体そのものが持つ美しさに勝るものはありませんね。
「ルアーマガジン2016年2月号」掲載写真。
オールドルアーのイメージカットです。
オールド感を演出するためにアンバー調にしました。デジカメの設定でWB(ホワイトバランス)というものがありますが、これを太陽マークに設定して光源を電球色のようなものにすると、このような色の写真が狙って撮れます。逆にデジカメを電球マークに設定して、太陽光で撮影すると青っぽくなります。写真はストロボのモデリングライトを光源にして、綺麗な形で残っている箱と共に撮影しました。被写体のルアーは編集部の方の私物らしいですが、ここまで大切に残してあるともう投げることは出来ないでしょうね(笑)
「ルアーマガジンアドバンス NEOサーフェスゲーム」掲載写真。
まだまだご紹介したい写真はたくさんあるのですが、長くなってしまいそうなので今回はここまでにします。
最後まで、ご覧いただきありがとうございました。